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蓄電池の劣化はどれくらい進む?

2025年11月10日 13:47

こんにちは。

神奈川県横浜市の太陽光発電・蓄電池設置業者、スリーボーダーです!!

いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。


太陽光発電と一緒に導入する家庭用蓄電池は、災害時のバックアップや電気代の削減など、多くのメリットがあります。一方で、「蓄電池って年数が経つとどのくらい劣化するの?」「10年後には使えなくなるのでは?」といったご相談を多くいただきます。


この記事では、蓄電池の「劣化」に焦点を当て、寿命の目安や劣化を抑えるポイント、劣化が進むとどうなるのか、実際の使用事例を交えながら分かりやすく解説します。

特に、神奈川県横浜市で太陽光発電+蓄電池の導入を検討している方に向けて、気候や住宅事情も踏まえた具体的な内容をお伝えします。






蓄電池の「劣化」とは?基本の考え方


蓄電池の劣化=容量の低下

蓄電池の劣化とは、簡単に言えば「充電できる電気の量が徐々に減っていくこと」です。

たとえば、10kWhの蓄電池を新品で導入した場合、100%充電すると10kWh分の電気を貯められます。しかし、10年後には容量が90%や80%程度に低下し、実際に使える電力量が少なくなっていきます。



蓄電池は消耗品

蓄電池は「電気を貯めて放電する」という性質上、スマートフォンやノートパソコンのバッテリーと同様に、使うたびに少しずつ劣化します。

特に、家庭用で多く採用されている「リチウムイオン電池」は、充放電の回数や使い方によって劣化スピードが変わります。


メーカーの保証でも、「10年経過時に容量が60〜70%残っていること」が基準になっているケースが多いです。



蓄電池の劣化スピードはどのくらい?寿命の目安


一般的な寿命は10〜15年

家庭用の蓄電池は、多くの場合で10〜15年程度の寿命とされています。

これは、1日1回の充放電を想定した場合、約4000〜6000サイクルが目安となるためです。

たとえば、1日1回充電・放電を行うと、

10年で約3650サイクル

15年で約5475サイクル

となり、この範囲内でメーカーが性能を保証しているケースが一般的です。



メーカー保証の一例(2025年時点)


メーカー名  容量保証年数  保証内容の例

パナソニック  15年     容量60%以上保証

ニチコン    15年     容量70%以上保証

シャープ    10年     容量60%以上保証

オムロン    15年     容量70%以上保証 


このように、2025年現在では15年保証を設けるメーカーも増えており、住宅用蓄電池の耐久性は年々向上しています。




蓄電池が劣化するとどうなる?実際の影響


1. 使用できる電力量が減る

最も分かりやすい影響は、「夜間に使える電気の量が減る」ことです。

たとえば、10kWhの蓄電池が10年後に80%に劣化した場合、実際に使えるのは8kWhになります。

日中に太陽光で余剰電力を貯めても、夜間の電力需要を完全にはまかなえなくなることがあります。


2. 停電時のバックアップ時間が短くなる

蓄電池は停電時の非常用電源としても活躍しますが、容量が減るとバックアップできる時間も短くなります。

たとえば、災害時に冷蔵庫・照明・通信機器などを使用して1時間に約1kWh消費する家庭では、

新品10kWh → 約10時間使用可能

10年後8kWh → 約8時間使用可能

といった差が出ます。


3. 経済効果が下がる

劣化によって蓄電容量が減ると、「安い電気を貯めて高い時間帯に使う」機能が十分に発揮されなくなります。

その結果、電気代削減効果が当初のシミュレーションよりも下がるケースもあります。



蓄電池の劣化を早める原因


1. 高温環境

リチウムイオン電池は高温に弱く、30℃を超える環境が続くと劣化が進みやすくなります。

横浜市は夏場の最高気温が35℃を超える日もあるため、蓄電池を屋外に設置する場合は、直射日光や熱がこもる場所を避けることが重要です。


2. 過剰な充放電

1日に複数回充放電を繰り返す使い方は、サイクル数を早く消費してしまい、劣化を早めます。

電力会社の料金プランやパワーコンディショナーの設定によっては、昼夜で何度も充放電が行われているケースもあるため、設定の見直しも大切です。


3. 長期間の放置

長期間、蓄電池を完全に使わない状態や極端に低残量のまま放置すると、内部のバッテリーが痛む原因になります。

普段から太陽光発電と組み合わせて運用することで、適度な充放電を行い、健康な状態を保つことができます。



蓄電池の劣化を抑えるためのポイント


1. 設置環境を整える

蓄電池の設置場所は、直射日光・雨風・高温多湿を避けた環境が理想です。

横浜市の住宅では、屋外設置の場合は北側の壁面や日陰になる場所を選ぶケースが多く、通気性を確保することで長寿命化に役立ちます。


2. 運用設定を見直す

パワーコンディショナー(パワコン)の設定を適切に行うことで、蓄電池の過剰な充放電を防げます。

たとえば、夜間に100%まで充電しない設定や、ピーク時間帯のみ放電する設定にすることで、劣化を抑えることが可能です。


3. 定期的なメンテナンス

蓄電池自体はメンテナンスフリーに近いですが、年1回程度の点検を行い、異常がないか確認することが重要です。

実際に当社でも、設置後5年・10年のタイミングで無料点検を実施し、劣化状況や設定の見直しを行うことで寿命を延ばしているお客様が多くいらっしゃいます。



実際の事例|横浜市で12年使用した蓄電池


当社で2013年に設置した横浜市青葉区のお客様の蓄電池(7.2kWh)は、12年経過した2025年現在も稼働しています。

現在の容量は約5.9kWh(82%)で、毎日の生活や停電時にも問題なく使用されています。

夏場は日陰の屋外に設置し、パワコン設定も「夜間フル充電なし」で運用していたため、劣化が緩やかに進んだ好例です。




まとめ


蓄電池の劣化は避けられないものですが、正しい使い方や設置環境によって劣化スピードを抑えることが可能です。

10〜15年という長い期間、太陽光発電と一緒に活用するためには、

・容量と保証内容を確認して導入する

・設置場所を工夫する

・パワーコンディショナーの設定を最適化する

・定期点検を行う

といったポイントが重要です。



神奈川県横浜市の太陽光発電・蓄電池設置・導入をご検討されている方は、是非この記事を参考にしてください!

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